11月17日:ユニスワップの基本と今
ほぼ毎日更新しているマーケットレポートですが、水曜日では、1つのコインを集中的に分析し、これまでのパフォーマンスと将来性について一緒にみていきたいと思います。今日は、トータルバリューロック(TVL、預かり資産)と時価総額の最大の分散型金融(DeFi)プロトコルであるユニスワップ(UNI)についてご紹介します。
ユニスワップ(Uniswap)とは?
ユニスワップは分散型の金融プロトコルで、公式サイトによると「開発者、リクイディティプロバイダー、トレーダーが、誰もがアクセス可能でオープンな金融市場」というものです。流動性が高いユニスワップは、イーサリアム上のERC-20トークンの取引のために開発されており、仲介者、スプレッド、取引手数料(ガス料金は別)などのあらゆる形態の「手数料」を排除しています。ユニスワップを管理する流動性プールがあれば、あらゆる仮想通貨(ほかがプールしたトークン)をワンクリックで交換することが可能となります。
なぜユニスワップは弱気になっているのか
ユニスワップは、トークンをスワップし、一定の手数料を得るためのクイディティプロバイダーになることでは、プロトコルのトップであり続けていますが、最近では複数のライバルが浮上してきています。
ほかのプロトコルがほぼ同じサービスを提供し、ステークやスワップの面でより優れたインセンティブを持っているため、ユニスワップは差別化を図るのに苦労しています。DeFiのマーケットリーダーであることは、プロトコル全体のTVLが40億ドル以上に上昇していることからみて疑う余地がないと思いが、UNIの価格が下落し続ける前に、プロトコルにどのような新機能を追加するかを考えなければならないかもしれません。
UNIの価格推移と今後の見通し
UNIの現在の価格は21.64で、2021年9月26日以来の安値となっています。過去1週間では18%以上、過去24時間では3.74%の下落となっています。これは以下の一部のネガティブなニュースを受けて、仮想通貨市場全体が下落していることの影響でしょう。
- Twitterの最高財務責任者CFOであるネッド・シーガル(Ned Segal)氏は、企業の資金を現在のところ仮想通貨に投資することはないとし、そのような提案は 「今は意味がない」と述べています。
- 中国共産党の元幹部Xiao Yi(肖毅)氏が、仮想通貨のマイニングを認めたことを理由に、党から除名されました。
- 米国証券取引委員会がビットコインのスポットETF(上場投資信託)の提案を却下しました。
以上のこともあり、BTCやETHなどの主要なコインやほかの仮想通貨価格が下落トレンドになっています。しかし、ユニスワップの値下がり幅はほかのコインよりも大きく、ユニスワップが今後も成長し続けるのか、注目が必要です。
ユニスワップをおすすめしますか?
ユニスワップを買ったほうがいいなのか、売ったほうがいいなのかの判断は、皆様におまかせします。ただし現時点でUNIと比較してより良いパフォーマンスの暗号通貨がほかもあり、UNIはDeFi空間での最初のコインではあるが、差別化に苦労しながら競争の激化に直面していることに注意する必要だと思います。
また、今回の価格下落は純粋に市場固有のボラティリティによるものであり、投資家が低価格でユニスワップ契約を購入するチャンスでもあります。言えるのは投資には慎重に行い、十分な情報を得た上で判断を行うことです。