ダイ(DAI)とは?概要・特徴などをわかりやすく解説
ダイ(DAI)とは、イーサリアム・ブロックチェーン上で発行されているERC-20トークン規格のステーブルコインです。分散型かつトラストレスでありながら大幅に使用できるため、他のステーブルコインとは一線を画すと言われています。自律分散型組織(DAO)のMakerDAOによって開発され、イーサリアム(ETH)ウォレット間の送金に使用することができます。ダイ(DAI)は元々イーサリアムをペッグ資産に利用しました。言い換えれば、1Dai=1米ドルを維持するために、一定額のイーサリアムを担保していたということです。現在は複数のペッグ資産があることで、ダイ(DAI)の価格がより安定的になっています。
今回はダイ(DAI)の基本概要からユースケースまで徹底的に解説していきます。
目次
- ダイ(DAI)の基本概要
- ダイ(DAI)の特徴
- ダイ(DAI)のユースケース
- ダイ(DAI)の価格が1米ドルと比較して上昇した場合
- ダイ(DAI)の価格が1米ドルと比較して下落した場合
1.ダイ(DAI)の基本概要
ダイ(DAI)とは、イーサリアム・ブロックチェーン上で発行されているERC-20トークン規格のステーブルコインです。それは米ドルの価値と連動(ペッグ)しており、常に1DAI≒1 ドルを維持するように設計されており、仮想通貨は担保にその価値に固定されています。
ダイ(DAI)は、デンマークの起業家ルーン・クリステンセン氏が2014年頃に開発したトークンで、現在は「MakerDAO」と呼ばれるオープンソースのDAO(自律分散型組織)にて、分散的に開発と運営が進行中です。
MakerDAO は自律分散型組織のため、特定の誰かが全管理権を掌握して運営しているわけではありません。全ての人はDAO(自律分散型組織) に参加する資格があり、共同でプロトコルを管理しています。
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2.ダイ(DAI)の特徴
「分散型」のステーブルコインというのは、ダイ(DAI)最大の特徴です。
暗号資産(仮想通貨)分野における「分散型(=Decentralized)」とは、権力の分散という「非中央集権」、つまりあるシステムの運営及び管理に関する全権限を有している、単一の組織または機関が存在していないということです。それで、コードさえ頼りになれば、第三者が発行機能を担ってくれることを信じらずとも、通貨的な役割を果たすことができます。
ビットコイン(BTC)は分散型かつトラストレスな資産として最も有名なものです。ビットコインの発行を管理機能を担う機関や組織は存在しないまま、早くから揃えられているさコードに従って、発行されています。「トラストレス(Trustless)」とは、信頼(Trust)がなくてもよいということです。つまり、ブロックチェーン分野においては、人間や組織を頼りになることなくとも、システムが機能を果たすということです。
ダイ(DAI)もこれと同様に、発行や運営管理を担う主体を有していません。すでに決まったルールに従って、Makerプロトコルという自動化されたシステムに、イーサリアムまたはERC-20トークンを担保として預け入れることにより、誰でもダイ(DAI)を発行できます。
ダイ(DAI)のユースケース
ダイ(DAI)は、検閲耐性や、耐改ざん性、ピアツーピアで安定した価値の転送、地理的制限の排除など、様々なメリットを持っているため、今後も幅広い分野でのユースケースが期待されています。
決済:ドルと同等の価値が担保されていますので、価格変動幅の大きい他の暗号資産よりも法定通貨の代替決済手段としての利用が見込まれます。また、ピアツーピアで24時間・365日、どこにいても送金が可能で、即座に決済が完了するため、決済手段としても拡大が見込まれます。すでに、ダイ(DAI)を決済通貨として受け入れている店舗も海外では存在しています。
貯蓄:他の仮想通貨と比較すると価格低下リスクが低いですので、貯蓄目的での利用が見込まれます。DeFi(分散型金融)の貸付プラットフォーム等に預け入れれば、日本国内の銀行に預け入れるよりも多くの金利を得ることも可能です。
イールドファーミング:イールドファーミングとは、DeFi分野で様々なプロトコルに資産を預けることにより金利や報酬を稼ぐ、投資または投機の一種です。ボラティリティの少ないダイは、他の暗号資産と比較し、イールドファーミングでの利用も見込まれます。
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ダイ(DAI)の価格が1米ドルと比較して上昇した場合
ダイ(DAI)の価格が1 ドル以上となった場合、安定化手数料やDSR が引き下げられます。
安定化手数料を引き下げることにより、発行者のコストが減少し発行が促されるため、市場へのダイ供給量が増加します。これにより相対的にダイの価値が下落するため、価格が下方に修正されます。DSRを下げるということは、つまり、デフレの際に中央銀行が市場金利を下げ、市場の通貨流通量を増加させるということです。
DSRを引き下げることにより、市場に出回るダイ(DAI)の量が増えるため、相対的にダイ(DAI)の価値が下落していきます。
ダイ(DAI)の価格が1米ドルと比較して下落した場合
ダイ(DAI)の価格が1ドル未満の場合、上記の逆を行います。安定化手数料及びDSRを引き上げることにより、市場における供給量を減少し、価値を上げます。
一言で言うと、ダイ(DAI)は、「ビットコインのようなパブリックチェーンに特徴的な分散性やトラストレスな性質を損なわないまま、ボラティリティを排除することに成功した「仮想通貨」と言われてもいいです。ダイ(DAI)は、検閲耐性や、耐改ざん性などの特性から、今後も決済や貯蓄、イールドファーミングなど、幅広い分野で活用することができます。
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