ポルカドット(DOT)とは?特徴や仕組みを解説|用語集
ポルカドット(DOT)とは何ですか?現在、ポルカドット(DOT)はよく耳にしますが、ポルカドット(DOT)を理解する人は案外少ないです。そこで、この記事はポルカドット(DOT)の基本をわかりやすく解説していきます。
ポルカドット(DOT)とは
ポルカドット(DOT)とは、イーサリアムの共同創設者兼元CTOのGavin Wood博士を中心に、より公平かつユーザー主権的なWeb3.0(分散型ウェブ)の構築を目指す団体、Web3 Foundationが主導で開発を行うPoS(Proof-of-Stake)系ブロックチェーンプロジェクトです。
ポルカドット(DOT)で最も顕著な特徴が、高度な相互運用性およびスケーラビリティを有していることです。メインチェーンである「リレーチェーン(Relay Chain)」、および「パラチェーン(Parachain)」と呼ばれるシャードチェーンを中心とした独自のネットワーク構造により、これが可能になっています。
また、デフォルトでハードフォークなしでアップグレードができる点、セキュリティがプールおよび共有されている点、ならびに「サブストレート(Substrate)」と呼ばれるブロックチェーン構築ツールが用意されている点など、他のブロックチェーンプロジェクトとは異なる利点が提供されています。
ポルカドット(DOT)とイーサリアム2.0
同様の構造を持つブロックチェーンプロジェクトに、イーサリアム2.0があります。メインチェーンがシャードチェーン、ひいてはネットワーク全体のセキュリティを管理している点、シャード間でメッセージの送信が可能である点などは、ポルカドットでもイーサリアム2.0でも同じです。
一方で相違点としては、イーサリアム2.0では、全てのシャードチェーンが同質である点、ガバナンスプロセスがオフチェーンで行われるためガバナンス決定事項を実行するにはハードフォークが必要な点、およびポルカドットよりも必要なバリデーター数が多い点などが挙げられます。
ポルカドットでは、20年5月にメインネットローンチの第一段階が開始され、同年8月には、DOT転送が解禁されました。21年2月現在、パラチェーンの正式ローンチに向けてテストが行われています。パラチェーンのローンチが完了すると、ガバナンスが始動し、オークションが開始できるようになります。
ポルカドット(DOT)の特徴と仕組み
1.相互運用性強化によるスケーラビリティ向上
ポルカドットは、リレーチェーンを中心に、複数のパラチェーンが一つのネットワーク内で繋がった、シャード化されたブロックチェーン構造を持ち合わせています。これにより、複数トランザクションの並列処理(複数の処理を同時に行うこと)が可能になり、トランザクションを一つ一つ順番に処理していることによる、トランザクション遅延が解消され、スケーラビリティが向上すると見込まれています。
パラチェーン同士に相互運用性があり、互いにコミュニケーションが可能なため、トークンの形で表された価値やその他様々なデータおよび機能を、パラチェーン間で共有できます。また、ブリッジ機能(下記1-3-3参照)を活用することにより、ビットコインやイーサリアムなど、外部の分散型ネットワークおよび仮想通貨ネットワークとの互換性を持つことも可能です。
2.フォーク無しのアップグレード
ポルカドットでは、各チェーンの機能がソフトウェアコードによって決定づけられており、開発者が指定した任意のブロック高において、全ノードがアップデートを自動的に実行できるように設計されています。そのため、チェーンに新機能を実装する際やバグ修正を行う際は、ハードフォーク(分岐)無しでアップデートが可能です。つまり、通常のブロックチェーンアップデート方法とは異なり、モバイルアプリやブラウザのアップデートと同じような方法で、チェーンをアップデートできます。
一般的なブロックチェーンでは、チェーンをハードフォークすることによりアップグレードが行われますが、この方法では、アップグレードに時間がかかり効率的ではなく、コミュニティが二つに分割される可能性が高くなるため、アップグレードのハードルが高くなっています。一方でポルカドットでは、ハードフォーク無しのアップグレードを可能にすることにより、アジャイル開発(迅速かつ柔軟な開発スタイル)が促進され、進歩するテクノロジーへの適応を容易にしています。
3.プールされたセキュリティ
ポルカドットでは、セキュリティがリレーチェーンにプールされ、各パラチェーン間で共有されています(Pooled SecurityまたはShared Securityと呼ばれる)。ここで言うブロックチェーンのセキュリティの高さとは、コンセンサスを破る難易度を意味しています。
通常PoW(Proof-of-Work)およびPoS(Proof-of-Stake)を採用したブロックチェーンでは、その性質上、セキュリティ確保(=コンセンサスが破られないようにすること)に膨大なリソース(資源)が費やされます。PoWの場合、計算処理を行うためのコンピュータパワーが、PoSの場合ステークする資産が、リソースとして必要になりますが、これらのリソースは有限であるため、異なるブロックチェーン同士がこのリソースを奪い合う状況が生じます。
ポルカドットでは、異なるシステムを持つ複数のパラチェーンが一つのネットワーク内に存在しているため、セキュリティが脆弱なパラチェーンが一つでも存在すると、ネットワーク全体のセキュリティに影響が及びます。そのため、パラチェーン同士が、セキュリティに必要な有限のリソースを巡って競い合い、格差が生じることは、ポルカドットネットワーク全体の利益になりません。
ポルカドットでは、リソースを奪い合うのではなく、ネットワーク全体のセキュリティ維持を担当するバリデーター(検証者/Validator)をリレーチェーンにプールし、各パラチェーンと共有することにより、全てのパラチェーンのセキュリティを保証しています。
4.オンチェーンガバナンスの実装
ポルカドットでは、DOT保有者によるオンチェーンガバナンスが実装されていることも、イーサリアムを初めとする既存チェーンと異なっている点です。
ポルカドットのガバナンスでは、ネットワーク手数料、パラチェーン追加または削除、ならびにプラットフォームのアップグレードおよび修正などが決定され、DOT保有者は投票プロセスを通じて、DOTをステークすることにより意思表示ができます。またDOT保有者であれば誰でも、投票提案も可能です。
投票時の各票の重みには、単にトークン数だけではなく、トークンのステーク期間も考慮されています。このような仕組みにより、一部の経済力があるDOT保有者だけに影響力が偏ってしまうことが回避され、より公平な投票システムが維持できます。
ポルカドットガバナンスには、DOT保有者の他、「Council(協議会)」および「Technical Committee(技術的委員会)」と呼ばれる組織が存在しています。Councilのメンバーは、受動的ステークホルダーを代表し、投票提案権および悪意ある投票の拒否権を保有しています。
暗号資産ポルカドット(DOT)
DOTとは、ポルカドットネットワークのネイティブトークンです。22年5月時点では、DOTの時価総額は約1.2兆円でドージコインに次ぐ第6位につけています。
DOTトークンは、以下の3つの用途で利用されています。
1.ガバナンス
全てのDOT保有者は、ポルカドットのガバナンスに参加し、プロトコル管理に貢献することができます。
2.ステーキング(経済的インセンティブ)
DOTは、ネットワークのセキュリティ維持にも使用されています。
ポルカドットを正常に機能させ、パラチェーンのトランザクションを実行するには、DOT保有者に、バリデーター、ノミネーターまたはフィッシャーマンの役割を担当してもらう必要があります。ネットワークに貢献したいDOT保有者は、DOTをステークし、リスクに晒すことにより、このような役を受け持つ機会を得ることができます。
ネットワークにとって良い行動をとった参加者には、報酬としてDOTが付与される一方、好ましくない行動をとった参加者がステークしたDOTは没収されるため、DOTが経済的インセンティブとして機能しています。
3.パラチェーンのスロットオークション
ポルカドットネットワーク内にパラチェーンを接続したい場合、オークションに参加し、スロット(枠)を獲得する必要があります。オークション参加者はDOTで入札します。落札者のDOTは、スロットの貸出期間中ロックされ、期間が終了しパラチェーンが削除されると同時に返却されます。オークションは、一種のPoSのような仕組みになっています。
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