テラ(LUNA)とは?初心者でもわかりやすく解説
みんなが知っている通り、暗号資産(仮想通貨)の価格変動が大きいという特徴を持っています。このデメリットを解決しようと、現在ではステーブルコインと呼ばれる暗号資産が普及してきました。ステーブルコインは日常的な決済など、一般消費者に暗号資産を普及させる手段としても大きな期待が集まっています。本記事では、価格変動を抑えて日常的な決済で利用できる暗号資産を作るという目的から開発が始まった「テラ(LUNA)」の特徴や仕組みを紹介していきます。
テラ(LUNA)とは
暗号資産「テラ(LUNA)」の名称にある「テラ」ですが、これはブロックチェーンの名称としても利用されています。テラのブロックチェーンのネイティブトークンがLUNAであるという位置付けです。本記事では、テラをブロックチェーンの名称とし、LUNAは暗号資産の名称として使い分けていきます。
2022年2月の時点で、テラのブロックチェーン上に運用のためにロックされた暗号資産の総価値「TVL(Total Value Locked)」は、166億ドル相当です。ブロックチェーンごとに集計したTVLは、イーサリアム(ETH)が約60%と高いシェアを誇っていますが、テラは2位につけています。
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テラの特徴
公式ウェブサイトのトップページで紹介されているテラの特徴は以下の4つです。
- 分散型ステーブルコイン「TerraUSD(UST)」が利用できる
- スマートコントラクト機能が実装されている
- 仮想通貨コスモス(ATOM)の開発キットを利用している
- ブロックチェーンをまたいでDeFi(分散型金融)のエコシステムが構築できる
テラの仕組み
テラのステーブルコインはおおまかには発行とバーンを繰り返して供給量を調節し、価値を一定に保つように設計されています。具体的には、価値を一定に保つために、インセンティブを与えてユーザーに取引を促すことで、供給量を調節しています。「Terra Station」というプラットフォームを作り、ユーザーが発行・バーンを行う機能を利用できるようにしています。
ステーブルコインが目標価格から乖離することで、利益を得ることができますので、ユーザーはわざわざ取引を行なって価格の安定に協力します。テラでは全てのステーブルコインの価値を一定に保つために、LUNAが利用されています。ステーブルコインとLUNAの取引を介し、それぞれ発行とバーンを行うことによって供給量を調節し、価値を保つ仕組みを導入しているのです。
価値を一定に保つために、ステーブルコインやLUNAを発行・バーンしているため、テラのような無担保型のステーブルコインは、「シニョリッジ型ステーブルコイン」と呼ばれることもあります。「シニョリッジ(=Seigniorage)」とは金融用語で、「通貨発行益」という意味です。仮想通貨用語ではなく、中央銀行が発行する通貨から、その製造費用を控除した利益も「シニョリッジ」と呼ばれます。
テラのホワイトペーパーでも、ステーブルコインを発行する時にLUNAをバーン(=製造費用)する仕組みを紹介する箇所などで、「シニョリッジ」という用語を使用しています。価値を一定に保つ仕組みにおいて、LUNAはステーブルコインの価格変動を吸収する役割を担います。LUNAの価格が暴落した場合、テラの仕組みは機能しなくなりますが、現在のところ問題なく稼働しています。
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テラの歴史と将来性
テラの開発を主導しているのは、韓国を拠点にするTerraform Labs社です。同社は2018年に、Daniel Shin氏とDo Kwon氏が創設しました。その後、2019年4月にテラのホワイトペーパーが発表され、同月にメインネットがローンチされています。
テラのプロジェクトは2018年8月、3,200万ドル(約36億円)を資金調達しました。これは、資金調達の最初のラウンドとされる「シード」で、大手暗号資産取引所の投資部門が出資を主導したことで注目を集めました。
Binance LabsやHuobi Capital、OKEx(現:OKX)らが資金調達を主導し、Polychain Capital、Hashed、Arrington XRP Capitalらも出資しました。シードラウンドの資金調達を行なったことで、「次世代のデジタルマネーを作る」というビジョンの実現に向けて加速できると説明していました。
最近では2021年7月にTerraform Labs社が、1.5億ドル(約170億円)を資金調達したと発表しました。Arrington XRP Capital、Pantera Capital、Galaxy Digital、Delphi Digitalらが出資に参加しました。
この資金を使って「Ecosystem Fund」を作り、認定されたプロジェクトを支援しました。メインストリームへエコシステムを普及させるため、次の段階へ踏み出すとしました。今後はエコシステム内の開発を促し、新しいユーザーを呼び込みながら、エコシステムを成長させていくとしています。
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