テスラ、ビットコインを大量に売却へ 6400万ドルの利益も
EV(電気自動車)メーカーのテスラは、保有するビットコイン(BTC)の75%を売却したことで、6400万ドルの利益を得たと発表した。
テスラ、ビットコインを大量に売却へ
テスラは、第2四半期決算報告で、中国で新型コロナウイルスによるロックダウンが続いたことによる流動性懸念から、9億3600万ドル相当のビットコインを売却したことを明らかにした。
同社CEO(最高経営責任者)のイーロン・マスク氏は投資家に対し、今回の売却は将来的な追加購入を排除するものではないと伝えた。また、この売却は「ビットコインに対する評価」ではないとも述べている。売却後、同社のビットコイン保有高は2億1800万ドルとなった。
ビットコイン売却の理由
「保有するビットコインを大量に売却した理由は、中国での新型コロナウイルスによるロックダウンがいつ緩和されるか不透明であったためだ。したがって、中国でのロックダウンの不確実性を考慮すると、手元現金を最大化することが当社にとって重要だった」とマスク氏は説明している。
暗号資産(仮想通貨)相場の暴落にもかかわらず、テスラはビットコイン販売で利益を得た。同社は22年上半期、1億7000万ドルの減損損失を計上。同社は米SEC(証券取引委員会)に提出した書類の中で、減損損失は保有するビットコインの「簿価の変更」に起因すると記していた。
ビットコイン相場とテスラの株価
過去数カ月において、多くの人がビットコインのパフォーマンスに大きな懸念を示している。ビットコインは21年11月の史上最高値から、50%以上下落。テスラがビットコイン売却を発表した1時間後、2.5%下落し、1BTC=23078.18ドルにまで下げた。7月25日、ビットコインは大幅に下落し、21969.29ドルとなっている。
一方、テスラがビットコイン保有高の75%を売却したことについて、株主は快く思っているようだ。テスラの株価は20日の市場終値742.50ドルから25日には812.16ドルと、9%の上昇を見せた。これは、5月初め以来で最高の上昇幅である。同社株価は過去5日間でも11.59%上昇し、過去1カ月では9.60%上昇している。過去12カ月間では約22%上昇しており、テスラにとって好調な1年となった。
ビットコインの売却にもかかわらず、テスラは6月末時点で2億2200万ドル相当のデジタル資産を企業資産として保有していることを明らかにした。
テスラ、デジタル資産の保有量を増減させる可能性
同社は、デジタル資産の保有量を長期的に増減させる可能性について言及している。
「あらゆる投資と同様、また、法定通貨ベースの現金および現金同等物の口座を管理する方法と同様に、ビジネスのニーズと市場および環境状況に対する同社の見解に基づき、いつでもデジタル資産の保有量を増減させる可能性がある」
22年第2四半期報告の中で、テスラは売上高が前四半期比で9.7%減の169億ドルになったと発表した。売上総利益は前四半期比で22.5%減の42億ドルとなった。しかし、それでもフリーキャッシュフローは6億2100万ドルであると報告している。また、第2四半期に過去最高の生産台数を記録したという。
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