イーサリアム、PoSへの移行に向け初めての大規模テストに成功
注目ポイント
- イーサリアムの開発者は、シャドーフォークと呼ばれるメインネット上でのPoSのテストに成功した
- シャドーフォークは、いくつかの小さな問題はあったものの、概ね成功した
イーサリアム、PoSへの移行に向け 「The Merge」を実施
イーサリアムの開発者は11日、イーサリアムのコンセンサスアルゴリズム「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」をブロックチェーンの「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」への変更に向けた最初の大規模なテストを実施した。
イーサリアムの開発者たちはこれまで、大きな変化をテストするため設計されたイーサリアム(ETH)ブロックチェーンの専用クローンであるテストネットでテストを実施していたが、今回は実際のブロックチェーン上でコードが機能するかどうかを確認するために、実際のメインネットのバージョンでテストを実施した。
開発者は実際に変更を完全に実行することを望まなかったため、「シャドーフォーク」と呼ばれるものを作成してテストした。これは、バリデータノードの一部がメインネットワークから分離し、自分自身だけでアップグレードを行うという実験的なものだという。ネットワークの残りの部分には影響を与えなかった。
イーサリアムのアップグレードを率いるTim Beiko氏は、「シャドーフォークは、新しいテストネットを立ち上げるよりも現実的な環境でテストを行うことができる。なぜなら、既存のテストネットでは既に取引が有機的に行われており、大きなステートサイズとブロック履歴があるため、新しいテストネットよりもノードにストレスがかかるからだ」とGithubに説明した。
イーサリアムの開発者が「The Merge」に備えるために企画されたこの事件は、イーサリアムがコンセンサスアルゴリズムを「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」から「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」へ移行するためだ。イーサリアム財団は2016年からPoSへの切り替えを計画しており、ついにその目標に近づいてきたようだ。
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シャドーフォークの目的
シャドーフォークは、イーサリアムの2つのブロックチェーン(PoWとPoS)のバリデータノードが、「The Merge」を行った後に一緒に動作できるかどうかを確認することを目的としている。シャドーフォークのもう一つの目的は、Nethermind、Besu、Geth、Erigonといったイーサリアムのノードを動かすためのクライアントソフトがバグなく正常に動くかどうかを確認することだった。
シャドーフォークは、実行層と合意層と呼ばれる2つの並列ブロックチェーンのデータをマージし、UTC時間午後12時頃に実験的なネットワークを作成した。
シャドーフォークの結果
イーサリアム財団で開発・運用に担うParithosh Jayanthi氏や他の開発者たちによると、テストが概ね成功したという。フォークされたネットワークはブロックを生成し、PoSアルゴリズムを使って完全にトランザクションを確定することができた。このフォークに指定されたブロックエクスプローラーによると、バリデータノードは約13秒の平均ブロックタイムで約26,176個を生成した。
Jayanthi氏によると、イーサリアム財団は2つのイーサリアムクライアントで「小さな問題」が発見されたという。
Galaxy Digitalの研究者Christine Kim氏によると、Beiko氏はこのシャドーフォークの結果が、「The Merge」のタイミングを決める鍵になると強調したという。この話題に関する詳細は、4月15日に開催される開発者向けコールで表面化する見込みだという。
今回は初めての大規模なテストだが、2つ目は4月22日に行われる予定だという。
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