英国政府、ステーブルコインが暴落した場合の安全策を策定
ステーブルコインとは、米ドルなどの伝統的資産の価格に連動するデジタルトークンである。ほとんどのステーブルコインは他の金融商品によって裏付けされているが、最近崩壊したテラUSDはそうではなく、複雑なコードの組み合わせを含む一連のアルゴリズムを使って価格を調節していた。
英国政府は、最近のテラUSD(UST)崩壊のような問題を回避したいと考えており、ステーブルコインが暴落した場合の安全策を策定している。政府は、国内で起こり得るステーブルコインの崩壊に対処するための措置を提案している。物議を醸しているステーブルコイン、テラUSDが崩壊したことを受けて、対応が必要であると判断したようだ。英規制当局は、ステーブルコインなど進化を遂げる暗号資産(仮想通貨)業界が、適切に管理されなければ金融部門全体に大混乱を引き起こすのではなかと懸念を抱いている。
英財務省は、31日に既存の規則を適用させる方向で調整に入った。この提案は、電子決済管理法に基づいてデジタル通貨を規制するという、以前政府が発表した計画とは別のものだ。
英国政府は、このような問題に対応するための安全策を構築することが現実的だと考えている。政府によると、ステーブルコインを含むデジタル資産は、着実に「銀行と同様にシステム上重要なもの」になってきているという。つまり、それらが崩壊した場合、同様に特別な支援が必要になるということだ。財務省は、デジタル資産システムの欠陥が原因となり、マクロおよびミクロ経済が大混乱に陥る可能性があると示唆した。このような問題は、経済活動に必要なサービスを混乱させるため、サービス提供企業の不利益となり得るとの懸念を示している。この問題が顧客に与える影響については、資金への正常なアクセスが妨げられる可能性があると指摘した。
さらに、英国政府は仮想通貨決済企業の破綻に対処するため、既存の規則を適用させるべきだと主張。この緊急時対応策の一部では、問題が起きた場合に、預金口座や仮想通貨サービスを別のプロバイダーに移行することを求めている。これにより、市場での混乱や連鎖リスクを未然に防ぐことができるという。イングランド銀行は、提案された規則の主な規制執行機関として機能することになる。提案に関する協議はすでに進められており、8月2日に終了する予定。政府は、銀行・保険会社・主要決済企業がすべての規則を完全に順守することを期待している。
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